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2017.8.2
  • レジオネラ文献

レジオネラ肺炎治療中に播出性クリプトコッカス感染症を呈した1剖検例

著者
酒井徹也、谷山大輔、十菱大介
内木場沙奈、荒川千昌、足立智英
東京都済生会中央病院総合診療内科
出典
感染症学雑誌, Vol.90, No.3 (2016)

78歳女性。腎不全の診断で入院4日目、胸部CTで肺炎憎悪の精査を行ったところ、同日の尿中レジオネラ抗原が陽性となった。レジオネラ肺炎として抗生剤をレボフロキサシンに変更し、入院6日目には解熱、酸素化の改善を認めた。入院18日目に38℃の発熱と酸素化の低下から院内肺炎としてメロペネム、バンコマイシンの投与を追加するも、治療に反応せず、入院25日目に死亡の転帰となった。剖検の結果、免疫染色でクリプトコッカス抗原陽性であったことから死因はクリプトコッカス症と考えられた。レジオネラ肺炎とクリプトコッカス症の合併は非常に稀である一方、レジオネラ、クリプトコッカスはともに細胞内寄生菌であり、発症の機序として細胞性免疫の低下が中心的役割を担うと考えられた。