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2017.8.2
  • レジオネラ文献

ARDS、DIC、肺腺維化、両側気胸を併発し救命し得た重症レジオネラ肺炎の1例

著者
宇留間友宣1,2、渡邉秀裕1,2、清田育男2,3
大石毅2,3菊池亮太1、伊藤昌之1
青柴和徹1、中村博幸1
東京医科大学茨城医療センター内科(呼吸器)1、東京医科大学茨城医療センター感染制御部2
東京医科大学茨城医療センター内科(感染症)3
出典
感染症学雑誌, Vol.89, No.2 (2015)

61歳男性で40歳時に右膿胸の治療歴あり、咳、痰、発熱の自覚症状を認め、1週間後に近医受信し、胸部X線で肺炎と診断された。著名な低酸素血症(stO2 58%)を認め、迅速レジオネラ尿中抗原陽性によりレジオネラ肺炎診断した。レボフロキサシン(LVFX)の治療開始も翌朝に呼吸不全憎悪し意識障害を呈したため人工呼吸器管理とした。第42病日に左気胸を併発し、胸腔ドレーン治療をおこなった。その後、呼吸不全は改善、人工呼吸器から離脱、リハビリを行い第84病日に自宅退院となった。基礎疾患のないレジオネラ肺炎では75%にARDSが併発するとされ、死亡率は67%と高いとされている。本例はDICに進展したが集中的なDIC治療は有効であったと考えられた。今後の本例のように感染経路の特定ができない症例が増加する可能性が考えられスクリーニングとして迅速検査が重要であると思われた。