2017.8.2
- レジオネラ文献
Legionella pneumophila血清群SG9による市中肺炎の1例
- 著者
- 森田充紀1、古田健次郎2、伊藤明広1
横山俊秀1、時岡史明1、野山麻紀1
吉岡弘鎮1、橘洋正1、有田真知子1
橋本徹1、石田直1
倉敷中央病院呼吸器内科1、神戸市立医療センター西市民病院2 - 出典
- 感染症学雑誌, Vol.90, No.2 (2016)
59歳男性。入院3日前から倦怠感と発熱を自覚し、近医で総合感冒薬を処方された。入院前日には見当識障害も出現し、再受診してLVFX内服を処方された。以後改善を認めず入院。入院3日目に一時的に呼吸状態が悪化し、挿管人工呼吸管理を要したが、その際の気官支採痰より後にLegionella pneumonphia SG9を検出した。入院10日目には抜管でき、その後退院できた。その後、自宅の環境調査を行ったが、Legionella pneumonphia SG9は検出できなかった。本菌による肺炎の報告例はまれであるが、尿中抗原検査や抗体検査が陰性となるために、過小診断されている可能性があり、病歴や臨床症状に応じて慎重に対応する必要がある。