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2016.3.3
  • レジオネラ文献

エンドトキシン高値を示したレジオネラ感染症

著者
春日恵理子1、松本竹久1、松本剛1 2、金井信一郎1 2、本田孝行1 2 3
信州大・医学部付属病院・臨床検査部1、信州大・医学部付属病院・感染制御室2、信州大・医学部・病態解析診断学教室3
出典
感染症学雑誌, Vol.89, No.6 (2015)

68歳女性。全身性エリテマトーデスのためプレドニゾロンによる加療中。入院後にプレドニゾロンの増量により全身状態は安定していたが、37病日目から発熱と右大腿の峰窩織炎を認めCPZ/BPを開始。このころから血中エンドトキシン濃度が上昇した。40病日目に抗生剤がMEPMに変更されたが、42病日目に死亡した。
創部浸出液を用いたDNAシークエンス解析を行った結果、Legionella pheumophilaが検出された。尿中抗原キットにて血清型1と判定された。
本症例を経験後、血液培養にてグラム陰性桿菌の検出を伴わないエンドトキシン高値症例にレジオネラ培養を追加したことで検出可能であった事例を2例経験している。いずれも血清型1以外のレジオネラ感染症だったため、尿中抗原を用いても検出は困難な事例であった。血液培養が陰性にかかわらず、エンドトキシン高値を示す場合には、レジオネラ感染症を考慮する必要があると考えられる。