2016.3.1
- レジオネラ文献
レジオネラ病原性に必須なⅣ型分泌装置の構造生物学
- 著者
- 永井宏樹1、久堀智子1、Xuan Thanh Bui1、相沢慎一2、今田勝巳3
阪大・微研・感染症国際研究センター1、県立広島大・生命環境2、阪大・院理・高分子3 - 出典
- 日本細菌学雑誌 Vol.70, No.1 (2015)
Ⅳ型分泌装置(T4SS)は核酸、タンパク質のような生体高分子化合物を輸送する細菌の分泌系であり、細菌の接合機構に進化的に近い関係がある。いくつかの病原菌は宿主真核細胞へ細菌タンパク質を輸送する機能のT4SSを持っている。Legionella pneumophilaは細胞内ヒト病原菌であり、Dot/Icm T4SSをいくつかの細菌性”機能性タンパク質”を宿主細胞に輸送するために利用している。輸送された機能性タンパク質は宿主の細胞プロセスを阻害する宿主因子と相互作用する。T4SSは多くの主要な病原菌で発病の重要な役割を果たすにもかかわらず、Ⅳ型分泌装置の分子化学的な基礎部分はいまだ多くが解明されていない。我々は最近のレジオネラDot/Icm T4SSに関する成果に、我々の核と内膜複合体の構造の解析結果を加えて考察した。