レジオネラ文献

レジオネラ尿中抗原検査の偽陽性例について

尿中抗原検査の特異度は多くの報告で90%台後半であり偽陽性率は数%程度と想定される。当院では2016年1月から2017年5月までの間にレジオネラ尿中抗原検査(A社製品)が494件施行され7件が陽性となった。そのうち3件は翌日の尿中抗原の再検査で陰性となり病状、その他検査結果からレジオネラ症は否定的で偽陽性例と考えた。この偽陽性3例について尿中抗原検査の他社製品であるB社製品とC社製品で検査を行った。レジオネラ症の診断のため培養、PCR、血清抗体を追加し2例でLAMP法を行った。A社製品とC社製品は陰性となり全く同じ検査結果だが、B社製品のみ他と異なる検査結果となった。培養、PCR、血清抗体、LAMP法は全て陰性であり尿中抗原陰性と合わせてレジオネラ症は否定的と考えた。

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当院でのレジオネラ肺炎の検討

レジオネラ肺炎は重症化しやすいが、軽症例のレジオネラ肺炎の診断はしばしば困難である。軽症例(ADROP 0点 or 1)点と中等症-重症(ADROP2点以上)の比較検討を行う。2001年から2016年11月まで当院でレジオネラ肺炎と診断された24症例を後視方的に検討した。軽症群(ADROP0/1、n=8)は中等症〜重症群(ADROP2/3/4/5、n=8)と比して有意に入院時の血中Naが低値で(mean±SD、134.3±1.5 vs 138.6±4.7 meq/L)(p=0.02)あり、体温は前者でより高い傾向を認めた。レジオネラ肺炎は、他の病原菌による市中肺炎に比して低Na血症を合併しやすく、ADAやCT-ProVasopressionの関与が指摘されているがその正確な機序は不明である。しかし、本研究では軽症例でより高度の低Na血症/体温の上昇が出現する可能性を示した。

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当院におけるレジオネラ肺炎11例の検討

2007年10月から2016年9月までの9年間で、肺炎症例のうち尿中レジオネラ抗原キット(イムノクロマト法)陽性であった症例を抽出した。該当症例は11例であった。ステロイドや免疫抑制剤投与中の発症は3例で、基礎疾患を有さない症例は半数(6例)を占めた。喫煙歴(10例)、大量飲酒歴(9例)があった。エアロゾルを発生させる人工環境に暴露した症例は1例であり、その他は感染経路が不明であった。全例で発熱を認めたものの、咳嗽を認めた6例はいずれも乾性咳嗽であった。初期治療薬は、フルオロキノロンが8例、マクロライドが3例で、治療効果不十分と判断され、マクロライドからフルオロキノロンへ変更となった例が1例であった。治療期間は平均11日間(5〜24日間)で、死亡例はなかった。レジオネラ肺炎は、健常人にも発症しうる、大量飲酒、喫煙歴がリスク因子と考えられる。

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約2ヵ月の間に当院で経験したレジオネラ肺炎の3症例

73歳男性。基礎疾患は高血圧、糖尿病。入院5日前に1日草取りをし、入院3日前から39℃超の発熱を認めた。胸部CTでスリガラス影を認め、レジオネラ尿中抗原陽性となった。CPFX、RFPを開始し、症状改善し、入院11日目に退院。66歳男性。基礎疾患は高血圧、心房細動。入院2日前から倦怠感があり、次第に増強。39.6℃の発熱と、胸写で肺炎像を認め、入院。レジオネラ尿中抗原は陰性であった。CTRX、ABPC/SBTで治療されたが高熱が続き、入院4日目の胸写で肺炎像は増悪。再検でレジオネラ尿中抗原陽性となり、CPFX、RFPを開始したところ症状改善し、入院18日目に退院。61歳男性。基礎疾患は糖尿病。入院7日前頃から発熱を認め、入院1日前に運転中に意識朦朧とし、自損事故を起こした。当院にて胸部CTで広範なスリガラス影を認め、レジオネラ尿中抗原陽性となった。CPFX、RFPを開始し、一時は症状悪化したがその後改善し、入院12日目に退院。

 

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LAMP法により診断し得たレジオネラ肺炎の1例

76歳男性。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の加療にて当科定期通院中。入院2日前より全身倦怠感出現。入院日の朝から悪寒戦慄が出現。38.8℃の発熱・呼吸困難および下肢の脱力感も出現し予約外受診された。最近の温泉旅行歴なし。自宅風呂は循環式風呂ではない。来院時検査所見、尿中レジオネラ抗原陰性。入院後経過、検査所見より異形肺炎(レジオネラ肺炎)も疑い抗生剤はSBT/ABPC 3.0g×2回、LVFX500mg点滴にて治療を開始した。治療後速やかに血液検査所見・画像所見ともに改善し、それに伴い呼吸状態も安定した。入院後の喀痰検査でLAMP法を行ったところ、レジオネラ遺伝子が検出された。尿中抗原では血清群1以外のレジオネラに関しては検出感度が低い。レジオネラ肺炎を疑った場合にはLAMP法による喀痰検査の追加が有用であると思われた。

 

 

レジオネラニュース

浜松の入浴施設レジオネラ検出-静岡県

2018/01/30付の静岡新聞によると、浜松市は29日、市龍山入浴施設「やすらぎの湯」で採取した水から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたと発表した。31日から当面、入浴施設の利用を停止する。

市健康増進課によると、17日に採取した水から基準値を超える菌が検出された。市は浴場設備を洗浄した上で再度検査を行うという。

レジオネラニュース

二戸市「天台の湯」レジオネラ菌基準2~200倍超過-岩手県

2018/01/27付の岩手日報によると、二戸市の第三セクター市ふるさと振興は26日、同社が運営する宿泊入浴施設「稲庭交流センター天台の湯」の入浴施設から検出されたレジオネラ属菌が基準値を2~200倍超過していたと明らかにした。同社は23日から入浴施設の営業を自粛している。

二戸保健所が26日に水質検査の結果を通知した。同施設に宿泊した県外の60代男性がレジオネラ症による肺炎と診断されたことで16日に発覚した。

レジオネラニュース

レジオネラ菌基準値の2倍、大田の福祉施設再び検出-島根県

2018/01/25付の中国新聞によると、大田市は24日、仁摩老人福祉センターの男女の浴槽から基準値を超すレジオネラ菌が検出されたと発表、指定管理者の市社会福祉協議会に当面の営業自粛を指示した。

市によると、15日の取水検査で、女湯の浴槽から国の基準の2倍の20個、男湯からは10個のレジオネラ菌を検出した。同センターは昨年7月にレジオネラ菌を検出後、検査を経て、12月28日から営業を再開していたという。

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レジオネラ菌に感染、バス運転手2人入院-北海道

2018/01/24付の北海道新聞によると、北海道拓殖バス(十勝管内音更町)の運転手2人が1月上旬、相次いでレジオネラ菌に感染し、帯広市内の医療機関に入院していることが23日、分かった。現在も治療中で同社や帯広保健所は感染源などを調査している。

2人は肺炎症状を示し、医療機関でレジオネラ菌が検出された。保健所の調査ではバスの洗車に使っていた同社のアーチ型自動洗車機からレジオネラ菌が検出され、洗車機の使用を中止したという。

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合志市の入浴施設でレジオネラ菌検出、市福祉センター「みどり館」-熊本県

2018/01/20付の熊本日日新聞によると、合志市は19日、市福祉センター「みどり館」の入浴施設で、県の基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたと発表した。現在、入浴施設の営業を自粛している。市によると、今月10日の水質検査で浴槽3つのうち女湯の浴槽から基準値を上回る12個体を検出したことが18日に判明、市は同日、使用を中止し、菊池保健所に報告した。