ウィンドウウォッシャー液のレジオネラ属菌による汚染実態調査

目的
レジオネラ症患者の多くは感染源不明であり、感染源の可能性を探るために様々な環境からレジオネラ属菌の分離が試みられている。近年では自動車に関連する環境からの分離報告が注目されている。そこで自動車のウィンドウウォッシャー液の汚染実態を調査し、またL.pneumophia SG1とSG5について市販ウォッシャー液中での生残性を検討した。

方法
使用されているウォッシャー液のタンクから採取した193検体についてレジオネラ属菌を分離し型別を行った。型別できなかった株については16SrRNA遺伝子のシークエンスによる同定を行った。また、L.pneumophia SG1、SG5およびL.rubrilucensを市販ウォッシャー液に接種し、菌数の経時変化を測定した。

結果
検出率は9.3%(18/193)、菌数は20〜12、080cfu/100mlで、6検体で1、000cfu/100ml以上が分離された。陽性の検体は確認できたものでタンクに水のみが補充されていた。型別はL.moravica(12)、L.pneumophilaSG5(4)、L.quateirensis(2)、L.dumoffii(1)、L.rub- rilucens(1)で、L.pneumophilaSG5のSBTはST1620、ST1532で、これまでのデータベースには認められない型であった。一方、40倍に希釈したウォッシャー液に接種したL.pneumophia SG1とSG5、L.rubrilucensの菌数は同様の経時変化を示し、24時間で殆ど分離されなくなった。これに対しPBSでの実験では24時間でおよそ6割の菌数が認められた。

考察
L.pneumophilaSG5とL.rubrilucensはヒトからの分離報告もあり、ウォッシャー液がレジオネラ症の感染源になりうることが示された。又、同液中での動態は患者から多く分離されるL.pneumophia SG1と同様であったことから、ウォッシャー液でL.pneumophia SG1が生息できること、液の適切な濃度での使用がリスクを軽減することが示された。


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