家庭内のレジオネラ汚染に関する基礎的調査

目的
レジオネラ症の多くは感染原因が不明であり、浴槽水や冷却塔水を対象とした汚染調査はされているが、家庭内についてはほとんど調査されていない。そこで家庭内のレジオネラ属菌の分布に関する基礎的な調査を行った。

方法
一戸建てA・B邸、集合住宅C・D邸の4軒で試料を採取した。水試料は水道水、浴槽水、洗濯水など34か所。スワブは蛇口、シャワーヘッドなど34か所。別邸5邸から水槽水11か所。その他、掃除機など合計84か所について調査した。分離培養を行い、LAMP法による遺伝子検査を行った。陰性検体はアメーバにより増菌させた後、再びLAMP法で検査を行った。一部試料については採取時に温度、pH、従属栄養細菌などを調査し関連性を検討した。A邸については3ケ月後にも調査を行った。

結果
風呂残り湯、洗濯機内の水、3カ月以上不使用の水道蛇口水など4検体、アメーバ増菌後2検体、計6検体からL.anisaなどが分離されるなど、84検体中、11検体が陽性であった。また浴槽水から検出されたL.anisaが水を再利用している洗濯機へのホースや水槽から検出され、水と共に汚染が拡大する可能性が考えられた。水槽水は11検体中2検体からL.anisaなどが検出され、7検体が陽性という高率の検出結果となった。A邸の3ケ月後の調査ではレジオネラ属菌は分離されず、菌の分離に変動があることがうかがえた。従属栄養細菌は103)CFU/ml以上でLAMP法陽性率が高まり、レジオネラ属菌汚染との関連が示唆された。以上の結果から、家庭内にレジオネラ属菌が生息しやすい環境があることが確認された。今後さらに家庭内のレジオネラ属菌の感染リスクを調査していく必要がある。


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