EMA-qPCR法による浴槽水からのレジオネラ属菌検出結果

目的
遺伝子検査法は培養法と比較して迅速性に優れているが、レジオネラ属菌の生菌のみならず死菌も検出するため、それを改善するEMA-qPCR法が考案され実用化されている。本報ではEMA処理あり・処理なしのqPCR法と、培養法による検出結果を比較し、EMA処理の効果について評価した。

方法
浴槽水111検体からqPCR法および培養法によりレジオネラ属菌を検出した。EMA-qPCR法はろ過濃縮した検体をEMA処理し、反応液を調整しqPCRを行いレジオネラ属菌の16S rRNA遺伝子を定量した。同様にEMA処理なしの試料も調整してqPCRを行い、培養法と比較した。

結果
レジオネラ属菌の陽性率は111検体中、培養法が30検体、EMA-qPCR法が49検体、qPCR法が83検体であった。培養法陰性でEMA-qPCR法陽性は23検体、培養法陰性でqPCR法陽性は54検体であり、EMA処理によって不一致が半分以下に減少した。EMA処理しても不一致となる理由は検体の性質(沈殿物の存在など)により適切に処理できないことや、培養法で検出できないViable but nonculturable状態のレジオネラ属菌が存在している可能も考えられる。また、浴槽水のレジオネラ属菌検査では培養法陽性で遺伝子検査法陰性の不一致は生じない必要があるが、培養法陽性でEMA-qPCR法陰性は4検体、qPCR法陰性は1検体であった。これはLAMP法での不一致と同レベルであるが更なる精度の向上が必要である。

考察
EMA-qPCR法は培養法陰性、遺伝子検査法陽性の不一致を半減させており、迅速検査法の適用の可能性を広げる手法であり、処理条件などの検討により更に有効な手法となることが期待される。


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