レジオネラ対策におけるATP検査の有用性に関する検討

目的
上木らは、生物がもつATP量を10数秒で測定するルミテスターを用いた浴槽水の検査においてATP値の上昇と共にレジオネラ属菌検出率も上昇する傾向を確認したが、その測定法は現場で行う検査としては操作が煩雑であり、コンタミネーションが懸念された。そこで、簡便なサンプリング方法を検討し、その有用性を確認した。また水用サンプラー試作品と従来品の拭取り用サンプラーとの比較についても報告する。

方法及び結果
1.サンプリング方法の検討拭取り用サンプラーの綿棒部分を滅菌精製水に浸し、浸水時間ごとの吸水量を測定した。吸水量は時間と共に増加し、20秒後149.98μLとなり、その後ほぼ一定の値を示した。
2.L.pSG1の濃度とATP値の関係L.pSG1を滅菌精製水に懸濁し希釈系を作成後、ルミテスターを用いてATP値を測定した。拭取り用サンプラーと水用サンプラーを使用したが、どちらもL.pSG1の濃度とATP値に相関があり、検量線は直線性を示した。
3.千葉県内の入浴施設における浴槽水中のレジオネラ属菌検査結果とATP値の比較現場で浴槽水のATP値を測定、ろ過濃縮法で浴槽水中のレジオネラ属菌検査を行った。拭取り用サンプラー使用ではATP値が0-24RLUでは2.6%、25-49RLUでは15.4%、50RLU以上では38.6%の検出率でレジオネラ属菌が検出された。一方、水用サンプラー使用では4.5%、0%、33.3%の検出率であった。このことから、上記方法でATP検査を行えば、現場における適切な指導・助言等を行うことができ、迅速で効果的なレジオネラ対策が可能になると思われる。


レジオネラ文献, 検査方法カテゴリーの記事