レジオネラ汚染に着目した中央式給湯設備配管における滞留部位の検討

目的
中央式給湯設備では湯の加熱や循環によって水質悪化の傾向があり、さらに給湯温度が低い場合にはレジオネラ属菌等の微生物汚染の報告も多々見られる。今回、同設備の水槽内の圧力を逃がすための逃がし管に着目し、レジオネラ汚染を検証したので報告する。

方法
1970年代竣工の宿泊施設B4Fに設置された貯湯槽7基のうち、4系統(客室高層系1系統、低層系1系統、パブリック系2系統)を対象とし、各系統の上部(搭屋)、中間部(3F)、下部(B4F)の配管表面温度および配管付近の気温を自動計測した。検水はB4Fの維持管理用ドレン配管から下部・中間部・上部に相当する保有量を計量し、各部位と推定する検水を採取し、冷却遠心濃縮法一酸処理法にて処理し、係数測定等を実施した。

結果
客室高層系を除く3系統の上部、中間部、下部何れの箇所からも2〜3オーダーのLegionella pneumophila SG1が検出され、最高は客室低層系の中間部だった。水温は20〜47℃の範囲であった。客室低層系は他と比較して(下部47.5℃)高めであったにもかかわらず多量の菌が検出された。

考察
逃がし管は開放系かつ滞留してしまう構造からレジオネラ汚染の一原因と推察されてきたが、本調査研究においてレジオネラ汚染を確認することができた。貯湯槽内が高い水温で維持されていても殆ど逃がし管には影響を及ぼしていないことが推察された。今後は逃がし管のレジオネラ汚染抑制に対する設計・維持管理などの手法を検討し、構築することが急務と考える。


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