難治性癲癇患者に発症し、診断と抗菌薬選択に苦慮したARDS合併重症レジオネラ肺炎の1例

症例
難治性癲癇で通院中の女性が痙攣、意識障害、発熱にて受診したが、痙攣後に嘔吐、誤嚥を認め、誤嚥性肺炎の診断にて入院した。スルバクタム・アンピシリンを開始するも胸部X線にて浸潤影の急速な拡大と呼吸不全の進行、P/F比の低下、さらに意識状態の悪化、頻回の痙攣発作を認めたためICU管理とした。レジオネラ尿中抗原再検にて陽性と判明し、ARDS合併重症レジオネラ肺炎の診断でニューキノロン系・マクロライド系・ステロイド系抗菌薬にて加療、奏効した。尿中抗原陽性に加えペア血清の上昇、喀痰PCR陽性からレジオネラ肺炎と確定診断した。

考察
本例は意識障害に加え誤嚥の主訴にて、また初回尿中レジオネラ抗原陰性であったことから診断に苦慮した。また重症レジオネラ肺炎にはニューキノロン系抗菌薬が有効と考えられるが、同薬による痙攣誘発作用も知られており、本例では痙攣と意識障害が認められ、抗菌薬選択に苦慮した。ICU管理下で痙攣に注意しながら慎重に投与した。重症市中肺炎におけるステロイドについては酸素化、画像所見、挿管回避などの改善を認めたとする報告が散見されるが、本例でも挿管回避を期待して併用し、人工呼吸器管理とならずに治癒し得たと考えられる。


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