レジオネラ症のリスクマネジメント5レジオネラ症のリスクマネジメント

はじめに
10年ぶりにレジオネラ症防止指針の改訂が行われ、「第3版レジオネラ症防止指針」が平成21年3月に発行された。新版レジオネラ症防止指針において初めてレジオネラ感染危険度のスコア化が提案され、3版では感染危険因子のスコア化と対応が示されている。レジオネラ症でいうリスクマネジメントとは感染の未然防止、感染拡大の防止対策と考える。そこで改訂された指針で示される防止対策について紹介する。

平常時のレジオネラ症防止対策
(一次予防)基本的には水利用設備が汚染されないよう適切な対策を講じる。
①建築物所有者・管理者は建築物設計に当り水利用設備毎に防止対策を置く。施工においては維持管理を踏まえ、施工後は設備毎に管理を行い、点検、清掃、水質検査等の実施記録を保存する。
②公衆浴場・旅館等の営業者・管理者は、都道府県等の条例や構造設備基準に適合し、維持管理基準に従い管理する。管理(点検、清掃)しやすい構造設備とし、感染防止に配慮した設備選択が重要である。また従業員教育等、日頃から徹底した衛生管理に努める。特に新装オープン時や設備の変更、更新時は管理方法の適正性を判断する上で水質検査の頻度を上げることを提案する。
③医療施設・社会福祉施設等の管理者は感染リスクの高い人が利用することを十分認識し、設備や施設の維持管理を行う。感染症対策検討の際には設備管理の専門家を参加させることが望ましい。
④保健所等の行政機関は関係施設の所有者や営業者等に対して適性な指示を行う。国の施策を受けて地方自治体でも条例や規則の整備等、レジオネラ症防止対策に取組んでおり、保健所等は国の施策だけでなく、それらの事例も参考に取り組むことが一層の防止対策に繋がる。又、一般家庭においても感染の恐れのある設備や器具の利用について適正な管理を喚起する。

レジオネラ症患者発生時の対応(二次予防、三次予防)
汚染源を迅速に特定し、適切な施策を施す。?医療機関はレジオネラ症患者と診断した場合には感染症法第12条第1項により直ちに患者の氏名、年齢、性別、診断方法等を最寄の保健所に届ける。?保健所は医師からの届出後聞取り調査を行い、その結果を基に感染源を迅速に特定する。感染拡大の恐れが認められた場合には住民に対して必要な情報を公表し、有症時の受診奨励等の迅速対応と共に、汚染源施設への営業自粛、設備消毒等の適切な指導を行う。又、受診地と感染地が異なるレジオネラ症も報告されており、保健所の連携が重要である。

おわりに
レジオネラ症は未然防止が重要であり、感染者が出た場合には早期診断、早期治療、早急な原因究明調査が重要である。本指針を参考に各々がその役割を果たすことが未然防止に、又一般市民への正しい知識の普及啓発がレジオネラ症の防止、感染者数低下に繋がると考える


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