札幌市における冷却塔のレジオネラ属菌調査について

目的
構造上、冷却塔はレジオネラ症の感染源となる可能性がある。そこで冷却塔水中のレジオネラ属菌数の推移、検出状況及び清掃回数や薬剤使用との関係について調査を行い、レジオネラ属菌抑制に効果的な対策を検討した。

方法と結果
1.レジオネラ属菌数の推移について平成18年8月9日から9月20日の期間に定期的に冷却水を採取し測定した結果特徴的なパターンを示した3施設について報告する。施設1は1回目の測定で指針値を超える菌数を検出、冷却塔の清掃を行い、不検出が続いていたが5回目の測定で指針値を超える菌数が検出された。施設2は1回目の測定で指針値を大きく超える菌数を検出、2回目は菌数が増加、冷却塔の清掃後の測定では減少はしたが依然指針値を超えていた。施設3は施設2と同様のパターンを示したが、使用薬剤を抗レジオネラ属菌用に変更した後は不検出となった。
2.レジオネラ属菌の検出状況及び管理状況について平成19年8月1日〜15日の期間20施設を対象にレジオネラ属菌の測定、及び清掃回数や抗レジオネラ薬剤の使用有無について聞き取りを実施した。20施設の内12施設からレジオネラ属菌が検出され、内9施設は指針値を超えていた。薬剤使用施設は不使用施設より菌数が少ない傾向にあった。但し薬剤を使用していても指針値を超える菌数が検出されている施設もあった。また稼動期間中の清掃回数が多い施設は薬剤の使用、不使用共に菌数が抑制される傾向にあった。

まとめ
以上のことから、清掃を行っても時間の経過と共に菌数は増加し、菌が増殖すると清掃のみでは抑制できないこと、抗レジオネラ用薬剤は菌の抑制に効果があるが有効にするには適正な使用が必要であること、また頻繁な清掃も抑制に有効であることが示された。以上の結果を踏まえ、設置者・維持管理者等に対して冷却塔の維持管理について周知を図っている。


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