社会福祉施設の浴場におけるレジオネラ対策の実施調査結果について

目的
社会福祉施設の浴場は公衆浴場法の適用対象外となっている。しかし利用者の大半がレジオネラ症の感染リスクの高い高齢者であり、適切な維持管理が必要なことから大阪府では平成20年3月にレジオネラ症発生防止対策要領を策定、社会福祉施設設置者に対する助言指導の指針を定め、さらに講習会を実施してきた。今般、所管内社会福祉施設の浴場について要領に基づく衛生管理の実施状況を確認するため実態調査を実施した。

方法
循環ろ過設備構造の浴場を有する34施設を対象に立ち入り調査を実施、浴場の構造設備、管理状況、書類保存状況等の確認と改善への助言指導を行った。

結果
及び考察: 1)塩素系薬剤による消毒の実施100%。1日3回以上濃度測定実施38.2%(13施設)、濃度保持施設は17.6%(6施設) 2)レジオネラ属菌が繁殖しやすいろ過器、循環配管の高濃度塩素消毒の定期的実施35.3%(12施設)、内、頻度は年2回以上が最多3)ろ過器の効果的な消毒(ろ過器直前の塩素注入口設置)41.2%(14施設) 4)集毛器の毎日の清掃実施30.3%(10施設) 5)浴槽水の換水頻度週1回52.9%(18施設)、2回41.2%(14施設)、1日1回5.9%(2施設) 6)水質検査(レジオネラ属菌、濁度、有機物質、大腸菌群)年1回以上実施64.7% (22施設)以上の結果を管内公衆浴場の調査結果と比較したところ、換水頻度・水質検査実施状況は社会福祉施設の適合率が高く、高濃度塩素消毒等は公衆浴場の適合率が高い結果となった。施設管理者のレジオネラ症に対する意識は高い反面、衛生管理への理解が十分でない面もあり、今後は公衆浴場に準じた助言指導によりレジオネラ症の発生防止に取り組んでいきたい。


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