温泉水中のレジオネラ属菌の検出におけるパルサー法の有効性についての検討

目的
温泉水中のレジオネラ属菌の検出ではWYOα寒天培地などを用いた培養法が一般的だが、この方法は培地に雑菌の生育を抑制する抗菌剤が添加されているため実際より検出菌数が減少し、又検出にも4日以上の時間を要する。そこで生菌のみが短時間で検出できる新しい核酸検出法パルサー法に着目し、その有効性について検討した。

方法
L.pneumophilaを添加した異なる泉質の温泉水をろ過濃縮しフィルター表層を滅菌スワブで集め5mlの滅菌水に懸濁し、パルサー法、培養法、ATP法、及びPCR法によりレジオネラ属菌を検出、比較した。又、L.pneumophilaを添加した蒸留水に種々消毒剤を一定量添加し、同様に処理しそれぞれの方法を比較、検討した。

結果および考察
予備検討の段階であるが1.次亜塩素酸ナトリウムによる消毒試験培養法:強い殺菌効果が認められた。パルサー法:0.4ppmの値で4.4×102CFU/mlを示したが、濃度が高くなるにつれて菌数が指数関数的に減少する傾向を示した。2.銀イオン消毒試験培養法:強い殺菌効果が認められた。パルサー法:殺菌効果は認められなかった。3.試料温泉水のレジオネラ属菌検出菌数パルサー法による検出菌数は培養法とPCR法の間に位置していた。培養法は選択培地の影響で1オーダー近く実際の菌数よりも少なくなり、又、培養不能なVNC状態のレジオネラ細胞も含まれる可能性を示唆している。今後、パルサー法が生菌状態のレジオネラ属菌の検出方法として現場で簡便に利用できるようにしたい。


レジオネラ文献, 検査方法カテゴリーの記事