低濃度オゾン水のLegionellaに対する殺菌効果

緒言
厚生労働省は浴槽水の水質基準でLegionellaに関して10CFU/100mL未満という基準を設け、浴槽水の塩素消毒を義務付けたが、塩素消毒はアンモニアや有機物などの汚濁成分により変動が大きく、濃度管理が難しく十分な効果が得られない場合がある。このため、塩素に代わる消毒剤の検討が行われている。オゾンはその一つであるが、臭気や人体への影響を考慮し低濃度での使用が要求されるが、低濃度領域におけるLegionella殺菌効果については十分には明らかになっていない。そこで、より正確な殺菌効果を求めるためオゾン消費を考慮した実験を実施し、低濃度領域におけるオゾン水のLegionellaに対する殺菌効果をCT値評価した。

方法と結果
精製水にリン酸塩溶液を加えpHを7.2に調整後、高圧蒸気滅菌し放冷して20℃の恒温水槽内で試験を行った。オゾンは荏原実業株式会社製オゾンモニタEL-55-RDに通水して測定し、試料が1Lになった所でオゾン濃度を測定した。試験は2×109CFU/mlの濃度に調整したL.pneumophilaの菌液をオゾン水に添加した。
⑴オゾン濃度は時間経過とともに直線的な現象が認められ、濃度が高いほど減少率が大きかった。菌液の添加により初期に急速な濃度の減少が認められるが、2分30秒以降は菌液無添加の場合とほぼ同様の挙動を示した。
⑵オゾン消費を最小限にした試験で、オゾン濃度0.034mg/Lでは30秒で106CFU/mlの菌数が102CFU/mlまで低減、1分で不検出となった。濃度0.005?/Lでも1分後の菌数が104CFU/ml、1分30秒で101CFU/mlまで減少。強い殺菌性を示した。
L.pneumophila基準株1株、環境分離株5株、臨床分離株2株の計8株の99.99% CT値は0.007〜0.013mg・min/Lであり、菌株間の相違は殆ど認められなかった。考察:上記の通り、オゾン水の低濃度領域においてもLegionellaに対する殺菌作用のあることが判明した。今回は夾雑物の存在しないLegionella単独での実験であるが、種種の物質が共存した場合でも今回の方法でCT値を求めることによって殺菌に必要なオゾン濃度を求めることが可能と考える。


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