レジオネラの検査法の進歩

尿中抗原の検出は、病原体の分離や血清抗体価による診断に比べて発症後速やかに行える。2003年に初診から診断まで5日以上かかる場合が70%だったのに対し、2008年には4日以内の割合が80%となった。一方、臨床検体から菌株が分離される比率は低下している。しかし感染源解明には患者分離株と周辺環境由来株の異同確認が必要であり、又Legionella pneumophila血清群1以外のレジオネラ症起因菌の場合は殆ど尿中抗原陰性となるため臨床検体殻菌を分離する重要性に変わりはない。分離菌株の異同確認に最適のパルスフィールド電気泳動法は手法改良により所要時間が半減された。多数の菌株の比較が容易なsequence-based typing法での日本における解析結果から浴槽水由来株と冷却塔水由来株で遺伝子が異なること、浴槽水を感染源とする患者由来株の一部に特定の遺伝子が見られること等がわかった。又血清群1内のサブタイプを6種のモノクローナル抗体(MAb)により型別すると浴槽水分離株は臨床分離株、冷却塔分離株に比べて極めて多様な型に分離され、主要なMAb型が異なることもわかった。更に環境から直接レジオネラDNAを検出、定量する迅速検査法も確立してきており、人工水系の衛生管理に有用である。


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