レジオネラ属菌培養検査の検出不能率低減の検討

目的
環境水のレジオネラ属菌培養検査において、選択培地がレジオネラ属菌以外の細菌類、真菌類で覆われている状態ではレジオネラ属菌の存在が不明のため「検出不能」と報告しているが、予てよりその不能率の低減が望まれている。前処理方法の改良や選択培地の改良が有効との報告もあり、今回、環境水のレジオネラ属菌培養検査における「検出不能」率改善について報告する。

方法
2006年9月から2008年3月に実施したレジオネラ属菌検査(22、439検体)において、検体の100倍濃縮液を0.2M酸性リン酸緩衝液(pH2.2)で10分間酸処理後にGVPC培地(MERCK)に接種した時、検出不能となった検体は900検体(4.0%)であった。冷蔵保存したこの検体の100倍濃縮液を次の通り接種した。
①酸処理後に抗生物質の添加量と種類を改良したCATα培地に接種
②熱処理(50℃で30分)と酸処理を併用してGVPC培地に接種
③熱処理と酸処理を併用してCATα培地に接種

結果
1.通常検査の検出不能率が4.0%に対し①0.8% ②1.6% ③0.2%であった。
2.通常検査法を始め各処理条件での検出菌数の分布は類似であった。
3. CATα培地の使用や、熱処理と酸処理の併用により大幅にレジオネラ属菌数が減少し結果としてレジオネラ属菌不検出と判定された検体は極めて少ないと考えられる。以上のことから、CATα培地の使用、及び熱処理と酸処理の併用は環境水のレジオネラ属菌検査において、検出不能の割合を低減する手段として有効であると考えられる。


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