浴槽水のレジオネラ対策と検査

目的
循環ろ過式のモデル浴槽を用いてレジオネラ属菌を含むバイオフィルムの形成状況と箇所を明らかにし、形成の抑制、除去の方法について検討を行い、そこから得られたレジオネラ対策と現場への応用、浴槽水のレジオネラ迅速定量検出法について報告する。

方法と結果
モデル浴槽における自然汚染、無殺菌増殖時のバイオフィルム形成箇所についてモデル浴槽の浴槽水を無殺菌状態で循環した時に、レジオネラ属菌の自然汚染、及び爆発的増殖(殺菌停止後3日間以降にアメーバと共に増殖、最高菌数105〜106CFU/100ml)が確認された。レジオネラ属菌は浴槽水やろ過器内水のアメーバ内で増殖後、浴槽水を介して浴槽系全体に拡散し、ろ過材や配管などの表面に付着しバイオフィルム(生物膜)を形成した。特に循環装置内で最大の表面積を占めるろ過材表面はレジオネラ、アメーバ等のバイオフィルムの最大の貯蔵庫となり、ろ過材の殺菌が不十分だと換水してもろ過材を汚染源として浴槽水のレジオネラ汚染が継続した。

循環浴槽系内におけるバイオフィルム形成の抑制と除去方法
1.毎日ろ過器内を5〜10ppm塩素により5分間以上逆洗浄するフィルター・リフレッシュ法での洗浄を毎日繰り返すことでレジオネラ、アメーバなどのバイオフィルム形成を抑制できた。この方法と浴槽水の塩素管理の併用で、より安全な循環浴槽水を提供できる。
2.レジオネラが自然増殖したモデル浴槽内を各種薬剤で洗浄後、部位別に洗浄殺菌効果を比較したところ、ろ過材・配管のレジオネラの殺菌除去は可能であったが、集毛器網のレジオネラ殺菌や配管接合部のゴムパッキンに形成されたバイオフィルムの殺菌・除去は困難であった。解決策として①集毛器網は毎日洗浄後、消毒用エタノールで殺菌②ゴムパッキンはテフロン加工パッキンに交換することが奨められる。

浴槽水中のレジオネラ属菌迅速定量検出法
今回の実験で、塩素管理がされ菌検出がない期間と無殺菌で菌が増加した期間の菌数の変化をリアルタイム定量PCR(qPCR)で正確に把握することが出来た。温泉水などの浴槽水で培養法とqPCR法の定量性を比較した所、両者の菌数によい相関がありqPCR法は迅速検査法として十分応用可能と考えられる。


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