クロラミンBによるレジオネラ属菌の消毒

目的
浴槽のレジオネラ属菌汚染対策において、高pH、アンモニア等を含む温泉では遊離残留塩素による消毒が困難であることから、代替消毒法としてクロラミン消毒に着目し、取扱いが比較的容易と考えられるクロラミンBを使用し、高pH条件下のレジオネラ属菌の不活化を検討した。

方法
Legionella pneumophila血清群1(長崎80-045株)を-80℃のスキムミルク凍結保存よりBCYEα寒天平板培地(DIFCO)に接種して30℃で4日間培養後コロニーを生理食塩水に懸濁し、2回遠心洗浄した。クロラミンB(関東化学)は全残留塩素濃度が塩素換算として約1000mg/Lの保存液を作成、室温で遮光保存した。試薬はこの条件下で1ヶ月以上安定に保存できることを確認した。全残留塩素濃度はポケット残留塩素計(HACH社)でDPD法により測定。消毒実験にはPage amoeba solution(pH7.7)、ホウ酸緩衝液(pH8.9)等の緩衝液を使用、pHは実験時にpHメータ(堀場B-212)で確認した。

試験
①クロラミンBを塩素量として0、1、3、6mg/Lに調整した緩衝液20〜30ml(40℃)に106cfu/mlとなるよう菌を添加。
②一定時間ごとに0.1mlの飼料を採取し、0.9mlの1%チオ硫酸ナトリウムを添加して残留塩素を中和し、希釈系列を作成してBCYEα寒天平板培地に接種、35℃で4日間以上培養。
③生残菌数を求めた所、実験期間を通して全残留塩素濃度の変動は最小濃度の1mg/Lでも20%未満に収まっていた。

結果と考察
1. pH7.7では①クロラミンB濃度1.1mg/Lで6時間以内に不検出(4.5-log不活化) ②.5mg/Lで3時間以内③5.5mg/Lで30分以内で不検出となった。2. pH8.9では消毒効果が低下し①クロラミンB濃度1.1mg/Lで6時間経過後1.9・logの不活化②3.5mg/Lで30分で3・logの不活化、3時間後に不検出(4.5・log) ③5.5mg/Lでは②と同様の結果が得られた。以上のことから、高pHでのクロラミンBによる消毒は全残留塩素濃度3〜6mg/lにおいて実用的と考えられる。


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