自動車走行時エアロゾル発生の可能性のある降雨後自動車道路上水溜りからのレジオネラ属菌の分離

目的
レジオネラ属菌は市中肺炎の起因菌の数%を占めるといわれ、感染経路は本菌を含む人工水環境のエアゾルの吸入であるが、自然環境水からの感染については検討が殆ど見られないため、今回、雨天時、自動車走行によりエアロゾル発生の危険性のあるアスファルト道路上の水溜りのレジオネラ属菌の生息状況を調べた。

方法
2006年6月〜10月にかけて京都市、及び東京都において、降雨後エアロゾル発生の可能性が高い道路白線より内側に形成された水溜りを採取、培養を行った。分離されたレジオネラ菌の血清型をスライド凝集法で同定し、更にrepetitive element PCRを行い菌株の同一性を調べた。

結果と考察
18検体中7検体からレジオネラ菌が分離されたが、雨水を直接滅菌容器で受けた検体、乾いた道路の拭い検体からは分離されなかった。陽性だった東京都の道路3ヶ所で定点的に調査した所、9月上旬までは最大000cfu/ 100mlのレジオネラ菌が分離されたが9月中旬後は分離されなかった。1ヶ所の水溜りから、Legionella pneumophila serotype1、2、3、5、6などの血清型が分離され、同じ血清型でもDNA fingerprintingで様々なパターンを表し、道路上に一過性に形成される水溜りに10cfu/100mlをはるかに超えるレジオネラ属菌が生息することが分かった。雨の日や雨上がりにレジオネラ菌が生息する道路上の水溜りの上を自動車が走行することにより、レジオネラ菌を含んだエアロゾルが地上に舞う危険性が示された。


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