自然環境に生息するLegionella pneumophilaの遺伝子型の多様性

目的
レジオネラ症の感染源や人工環境水におけるL.pneumophilaの由来を探る手掛りとなるL.pneumophilaの遺伝子型の地域分布を明らかにするためゲノム上の2種類の遺伝子に着目し、塩基配列に基づいたタイピングを行った。

方法
鹿児島、マレーシアで自然湧出する温泉水を採取、試料中のL.pneumophilaを選択培地で培養し、コロニーを分離。タイピングはAFLP法によりフィンガープリンティングを行った。また分離株のゲノム上に存在する真核生物由来の遺伝子、及び膜貫通型たんぱく質をコードする遺伝子の塩基配列を決定しクラスター解析を行った。

結果と考察
分離した菌株の内、10株をAFLA分析を行った所、鹿児島では4〜10種、マレーシアでは7種の遺伝子型が存在し、多様であることが明らかになった。分離株ほぼ全てが真核生物由来のF-boxを保有し、その塩基配列は同一地域から分離した株においても多様であった。一方、膜貫通型タンパク質の一つをコードする遺伝子を標的として同様の解析を行った所、地域内での配列の多様性はF-box遺伝子に比べ低く、配列に地域特異性が見られる可能性が示された。このことから膜貫通型タンパク質の一つをコードする遺伝子がL.pneumophilaの地域分布、生育する環境を知る上でマーカーとなりうる可能性が明らかとなった。


レジオネラ文献, 生息調査カテゴリーの記事