循環水からのL.pneumophila 検出法の比較

目的
院内の環境水調査方法を決定するため、「新版レジオネラ症防止指針」に示される冷却遠心濃縮法(以下遠心法)、ろ過濃縮法(以下ろ過法)、フィルター貼り付け法(以下貼り付け法)を用いて1)1検体当りの操作法(操作時間) 2)回収率について比較した。

方法
L.pneumophila SGIの標準株・臨床分離株で作成したA:100 CFU/100ml B:50CFU/100ml C:10 CFU/100mlの菌液を検体とし、①遠心法では200mlの菌液を遠心分離し、沈渣に水2mlを加え濃縮菌液とした②ろ過法ではマグネチックフィルターファンネル(日本ポール)を使用し、500mlの菌液を孔径0.45μlの滅菌メンブランフィルターでろ過後、フィルター上の菌を滅菌水5mlで洗い流し濃縮菌液にした。①②で得た菌液を100μlづつB-CYE培地に塗布した。
③取り付け法はマイクロファンネルプラス(日本ポール)を使用し、100mlの菌液を孔径45μmの滅菌メンブランフィルター(黒)でろ過し、フィルターを直接B-CYE培地に貼り付けた。
①〜③をそれぞれ35℃で乾燥を防ぎ10日間培養、計測した。

結果
1)操作法(時間)
①遠心法200mlの菌液を一度に遠心出来ず2回に分けて遠心、約140分を要した。
②ろ過法要した時間は30分だったが前日からの器具の滅菌作業などが必要であった。
③取り付け法30分を要した。2)回収率A〜Cの3濃度とも貼り付け法が最も優れていた。以上の結果から取り付け法が最も容易に短時間で検査が出来、安定した回収率を得られた。しかし、環境中の水の検査では酸処理、熱処理では処理出来ない雑菌も遠心法、ろ過法に比べ拾いやすくなるため、それに対する対策が必要と思われる。


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