フローサイトメトリーに基づく新規評価基準による温浴施設水の衛生管理方法の有用性

目的
近年、厚生労働省の「公衆浴場における衛生管理要領」等に基づき、主に塩素系薬剤による浴用水の衛生管理が実施されているが、アンモニアの存在やpHの影響により充分な消毒効果が得られず規定の塩素濃度を保ちながらレジオネラ属菌が検出されることの問題点が指摘されている。今回、塩素管理を実施の循環式温泉の通年調査で、リアルタイムレジオネラリスク判定法を基に定めた新たな評価基準による衛生管理方法の有用性について検討した。

方法
平成18年8月〜翌年7月に温泉施設の各種浴用水(貯湯タンク水、配管水、浴槽水)を48回に分けて採水の170検体を上水試験法に準じてpH、有効塩素濃度、従属栄養細菌数の測定を行った。レジオネラ属菌の検出は新版レジオネラ症防止指針に従い、それと共にフローサイトメトリーにより粒子サイズ・核酸量を指標に細菌と推定される粒子を計測、更にCT値が10mg・min/Lとなるよう塩素剤で感作させた細菌を同機器で計測して得た特定エリアを二次元散布図内に定め、計測した推定細菌粒子群が当該エリアに局在する場合殺菌効果ありとする評価基準にて、前述の培養検査結果と比較した。

結果
評価基準を満たした55検体の内、3検体から従属栄養細菌が検出されたが何れもレジオネラ属菌は検出されなかった。一方、基準を満たさなかった115検体中105検体からは従属栄養細菌を検出、内69検体からはレジオネラ属菌が検出された。従って、フローサイトメトリーに基づいて設定した新規評価基準は施設従事者が簡便かつ迅速に温浴施設水のレジオネラリスクを探知することが出来、衛星管理上極めて有用である。


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