小児科領域における迅速感染診断の有用性と問題点(ワークショップII)「尿中抗原」レジオネラ

目的
本ワークショップでは、主として小児呼吸器感染症の原因微生物に関して、迅速診断法の有用性と問題点について、各微生物領域の専門家に解説をお願いした。

方法
肺炎は今日においてももっとも重要な感染症の1つであり、特に肺炎球菌・レジオネラ肺炎は死亡率が高い感染症の代表でもあり、また選択される抗菌薬が異なることからも迅速診断が重要である。このようななかで、患者尿から病原体抗原を特異的かつ迅速に検出できるキットが発売され利用可能となっている。本シンポジウムでは「尿中可溶抗原による肺炎の診断」をテーマに、レジオネラ肺炎の診断キットの特徴・有用性について発表する。

結果
当教室で約10年間に亘り診断した200を超える症例を対象にレジオネラ肺炎診断における尿中抗原検出キットの有用性について解析を加えた。各種検査法における陽性/検査症例(%)を測定し比較したところ、現在のスタンダードな診断法とされている培養法61/100(61.0)とキット94/154(61.0)で同一の結果が得られた。さらに、L.pneumophila血清型1以外の感染症における尿中抗原の陽性頻度は6/23症例(26.1)と低いことから、本キットは基本的に血清型1感染症に対して有用な検査法であると考えられた。今後も、尿中抗原の意義について診断と病態の両面から考察する予定である。


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