今ふえているレジオネラ症ーその正体と予防対策ー

呼吸器系の感染症・レジオネラ症レジオネラ症は、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)という種を代表とするレジオネラ属菌による呼吸器系の感染症です。ニューモフィラは、「肺を好む」という意味があり、レジオネラ症は新興・再興感染症のひとつです。

レジオネラ症ってどういうもの?
レジオネラは水や土壌などの自然界にいる環境細菌です。15〜43℃で繁殖し、36℃前後で最もよく繁殖します。また原虫アメーバなどの細胞内に寄生して、6時間で倍増します。レジオネラ症には「ポンティアック熱型」と重症例の多い「肺炎型」の2つがあります。ポンティアック熱は、健康な人でも多量の菌に感染したような場合には、一過性の風邪のような症状がでますが、1週間以内に症状は軽くなります。レジオネラ肺炎は、免疫力の低下した人がかかります。他の細菌による肺炎とほぼ同じ症状の他に、レジオネラ肺炎独特の症状としては無意識状態や幻覚など神経系の症状がみられるようになります。全体的な致死率は15%ですが、有効な抗菌薬が投与されない場合は、肺炎の進行が早いために7日以内に死亡してしまう事例が多く、致死率は60〜70%に達します。なお、ヒトからヒトへの感染はないので、隔離をする必要はありません。

強化されたレジオネラ症対策
これまでレジオネラ症は、診断後7日以内に最寄りの保健所に届ければ良かったのですが、平成15年11月に感染症法が改正されて、診断した医師はただちに届け出ることとなりました。また、レジオネラ症はアメーバを介して増殖するため、都道府県知事などがその駆除と汚染場所の消毒を行う措置が取られるなどレジオネラ症対策が強化されました。同じく平成15年の2月には厚生労働省より「公衆浴場における衛生管理要領等の改正について」という通知が出され、技術上の助言が新に追加されました。

レジオネラ症を予防するには
レジオネラ属菌やアメーバはぬめりといわれるバイオフィルム内に生息します。ぬめりには殺菌剤が浸透しにくいので、浴槽の表面、配管、特にろ過装置の逆洗浄をしてぬめりを取り除くことが重要です。また、ぬめりができるのを減らすには、微生物の住みやすい多孔質でできたろ過装置は使用しないことです。浴槽全体に波及する殺菌剤としては、塩素系消毒剤が有効です。

日頃からの衛生管理きれいなお湯で快適入浴
レジオネラの予防のために大切なのは、温度管理と水の飛沫を抑えることです。浴槽やお風呂周りを日頃から清潔に保ち、いつでもきれいなお湯で気持ち良く快適に入浴したいものです。


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