浴場施設におけるレジオネラ症感染とその対策

これまでに発生したレジオネラ症集団感染・死亡事故の要因を述べ、浴槽循環ろ過設備のレジオネラ対策について国が策定した感染予防対策をもとに解説する。

入浴施設におけるレジオネラ症感染事例とその要因いずれの施設も浴槽水の消毒が適切に行われていない/ろ過装置の逆洗・洗浄が不十分/エアロゾルの発生/オーバーフローによる汚れの除去が不十分など、管理上並びに設備上の欠陥が要因として指摘されている。

レジオネラ属菌対策に関する技術上の指針(告示)入浴施設でのレジオネラ症集団感染・死亡事故が各地で発生して、厚生労働省では平成15年7月25日に告示「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」を定めて公布した。告示内容は、以下の点を目的とした技術上の指針で、浴槽循環ろ過設備の全ての部位をレジオネラ属菌が繁殖することのないように維持することを基本としている。・微生物の繁殖および生物膜などの生成の抑制・設備内に定着する生物膜などの除去・エアロゾル(微細な水粒)飛散の抑制。

レジオネラ属菌対策とその影響浴槽施設におけるレジオネラ属菌対策は施設の運用に大きな影響を及ぼすものとなった。以下にその影響と運用上の問題点について述べる。・使用量の増大:過マンガン酸カリウム消費量(汚れの指標)を基準値(25mg/L以下)に維持するには、浴槽から湯をオーバーフローさせて汚れを排除するとともに補給水によって汚れの割合を薄めることが必要である。そのため、ランニングコストの増大は免れない。・貯湯槽の高温消毒:レジオネラ属菌は60℃の温水では5分程度で死滅することから貯湯槽内の湯を60℃以上に保つことが義務づけられている。しかし、わが国の温泉は源泉温度60℃未満のものが多く、貯湯槽に加熱装置を設けるには多額の費用が増える。・ろ過装置の逆洗・消毒:ろ過装置は1週間に1回以上逆洗して消毒するとしているが、地域によっては水道スによる逆洗や高濃度塩素による消毒を求めているところもある。水道水による逆洗を行うには過剰な設備が要求され、また水道料金も過大となる。


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