レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針(厚生労働大臣告示)の制定について

目的
2003年7月に「感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針」を補足するものとして「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」が制定された。この指針を告示するにあたって、これまでのレジオネラ症発生防止対策の経緯を紹介するとともに、最近問題となったレジオネラ症集団感染事例の原因を分析し、レジオネラ症発生防止対策を確実に実施することの重要性を述べる。

結果
1.レジオネラ症発生防止対策の経緯厚生労働省では、公衆浴場を感染源とする発生事例が絶えないことから、全国の都道府県に”緊急一斉点検”の実施を通じて、個別事業者に直接衛生管理が不十分な点を指導するよう通知するとともに、各自治体が行う営業者向け講習会への支援、監視指導を行うための機器などに対する補助金の交付を行った。また、これまでの集団発生事例に鑑み、営業許可に際してレジオネラ症発生防止の観点から十分に審査し、営業の停止および許可の取り消しといった行政処分や行政指導を行う際に明確な根拠を持って対応できるよう”条例指針”を作成した。
2.レジオネラ集団発生事例の原因が疑われる入浴施設の調査結果2002年7月の宮崎県の事故直後に現地で行った調査の結果、以下の問題点が確認された。
*ろ過装置の後に薬液が注入される構造になっており、ろ過装置内の殺菌ができていない
*1週間に1度以上行われるべきろ過装置や循環配管の高濃度塩素処理による消毒を行った形跡がない
*浴槽の壁面に水位を示す汚れのしみ跡が残っており、浴槽水が清浄に保たれていなかったことがうかがえる*高温タンクと中温タンク間の断熱が不十分であったため、高温タンクでの殺菌効果が不十分な状況だった
*現場の職員らの衛生管理に対する教育が不足していた上記の問題点は”条例指針”の発生予防対策を実行していれば、十分予防できた事例であったと思われる。
なお、公衆浴場などにおけるレジオネラ属菌感染防止対策は、厚生労働省のホームページに公表されている。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/legionella/index.html


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