公衆浴場が感染源と考えられたレジオネラ症の本邦で最大の大量集団発生-疫学検査所見-

目的・方法
同一施設が感染源と考えられた45名におよぶレジオネラ症(疑い含む)の大量集団発生の疫学検査所見について報告する。

結果
1.男女比は27人:18人で男性に多い傾向があった。なお同時期に入浴した総数から発症頻度は0.0028%であった。平均年齢は62.4歳であった。
2.確診例は27例であった。確診例とはレジオネラ属菌に対する検査法(培養法、抗体価測定、尿中抗原、PCR法)のいずれかに陽性を示したものである。
3.27例中20例で血清型が診断可能であり16例はL.pneumophila serogroup1(LP1)、1例はLP6、4例はLP1とLP6の混合感染と考えられた。
4.浴槽水からLP1、LP5、LP6がそれぞれ検出された。循環ろ過システムからLP1、LP3、LP5、LP6がそれぞれ検出された。5.パルスフィールド・ゲル電位泳動の結果、2名の患者および施設から分離培養されたLP1の遺伝子切断パターンは高い相同性がみられ同一起源菌株であると考えられた。

考察
1.浴槽水の循環ろ過システムの構造および管理に大きな問題があり大量の集団発生に至ったと考えられた。
2.今後生活環境の変化にともない循環式入浴施設、24時間風呂の普及が予測される。浴槽水の安全な循環ろ過システムを採用することは当然のことであり、定期的な点検、安全管理が必要である。
3.臨床医はもちろんのこと入浴施設・設備の設計者、管理者および周辺機器に関係する人々は入浴施設そのものがレジオネラ症の感染源となることを深く念頭に置くべきである。


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