静岡県温泉レジャー施設におけるレジオネラ症集団発生-臨床面から-

静岡県内の温泉レジャー施設利用者のレジオネラ症集団発生事例について臨床的検討を行った。 対象は4類感染症の届出がされた23例のうち温泉入浴後レジオネラ症と確定診断された22例と温泉入浴後レジオネラ症が疑われたが確定診断には至らなかった臨床診断例11例。 確定診断患者22例のうち男性は20例、女性は2例で年令は5086歳、平均は67.4歳。基礎疾患は11例に認められ、高血圧、糖尿病、高脂血症、胃潰瘍、肺気腫であった。複数回入浴者は8例あり、最終入浴日から症状発現までは平均5.4日であった。初発症状は発熱がほとんどであったが、全身倦怠感や意識障害で受診した症例もあった。肺炎は20例、ポンティアック熱2例。入院を要した症例は19例、通院治療は3例で、平均入院期間は28.8日であった。胸部X線では12例では両側に陰影を認め、胸水は4例に認めた。経過中に呼吸不全を呈したものは13例、うち3例では人工呼吸を必要とした。確定診断方法は尿中抗原16例、喀疲からの菌の検出3例、血清抗体価3例であった。治療は2例を除きほぼ全例でマクロライド剤が使用され、RFPやニューキノロン剤との併用も多かった。6例でステロイド剤が使用された。転帰は2例が死亡、残り20例は治癒した。 本症の診断面では入浴歴聴取が重要と考えられ、尿中抗原検出はその迅速性からきわめて有用であった。治療面では早期から十分な治療にもかかわらず重症化した患者がみられたことから、基礎疾患を有する高齢者では依然として難治性であると思われた。


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