Legionella pneumophilaの病原遺伝子ptsPに関する研究(2)-細胞内動態における役割-

目的
Legionella pneumophilaの病原性の解明は遺伝子レベルから大きな進展がみられている。これまでに、演者らはSignature tagged mutagenesis法を用いてin vivoにおけるレジオネラの病原性遺伝子を多数特定した(PNAS96:8190、1999)。これらの遺伝子には細胞内増殖に関与するDot/Icmシステムの遺伝子も含まれていたが、多くは未知の病原遺伝子であった。この新しい病原遺伝子の一つセあるptsP遺伝子について詳細な検討を行い、知見を得たので報告する。

方法
ptsP遺伝子の全塩基配列を決定し、既知の遺伝子との相同性を検討した。ptsP変異株に正常のptsP遺伝子を組み込み、その病原性が回復するか否か、モルモット感染モデル、肺胞マクロファージ感染モデル、肺胞上皮細胞感染モデルを用いて検討した。当該変異株を用いてpore formation assay、pnagosome-lysosome fusion assay、および電顕によるribosome studdingの観察、IcmXおよびDotA蛋白の発現、apoptpsis誘導能について検討を行った。結果
ptsP遺伝子の塩基配列は2、295塩基からなり、BlastX検索によりP.aeruginosa、A.vinelandii、E.coliptsP遺伝子と高い相同性が認められた。ptsP遺伝子のtrans complementationによって、モルモット感染モデルおよび細胞感染モデルにおいて病原性が回復した。本遺伝子の変異株はpore formation、phagome-Iysosome fusionの阻害能、DotAおよびIcmX蛋白発現、apoptosis誘導はほぼ正常であった。ribosome studded phagosome形成はやや遅れる傾向がみられた。

考案
ptsP遺伝子は細菌特有の情報伝達系に関与するものと報告されており、レジオネラの宿主細胞内増殖および生体内の病原性発現にも同様の情報伝達系が重要であることが明らかにされた。(会員外協同研究者;ペンシルベニア大学医学部Paul H.Edelstein、Martha A.C.Edeistein)


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