循環式給湯方式公衆浴場が感染源と考えられるレジオネラ肺炎の本邦最大の大量集団発生-臨床所見

循環式給湯方式公衆浴場が感染源と考えられた45例におよぶ多数のレジオネラ症(疑いを含む)が集団発生した。このうち東京医科大学第5内科で診断・経過観察が可能であった42例の中の肺炎型34例を対象に解析した臨床所見を報告している。結果は、1.基礎疾患を有する頻度が高く高血圧症、糖尿病の割合が多く、また喫煙者は18例であった。2.精神・神経症状、消化器症状を呈した症例はそれぞれ3例、4例あり、比較的徐脈は29%にみられた。3.PaO2が60torr以下の症例は26%にみられ、白血球数は50%で10、000/mm3以上の高値を呈していた。生化学検査では肝機能、腎機能の異常高値が高頻度にみられ、CPKの異常高値は11例にみられた。また、尿潜血、タンパク尿の出現が高頻度にみられた。4.画像所見は多発性の分布を呈する頻度が高く、区域性、非区域性の拡がりを呈した症例はそれぞれ50%であった。陰影の拡がりが1側肺の2/3以上の重症例は11例あり3例は陰影の急速な進行が原因で死亡され、8例はすべて肺の線維化が残存、胸水は9例にみられた。結果から、レジオネラ肺炎の画像所見は他の細菌性肺炎と同様肺胞性パターンを呈するものがほとんどで、重症例では間質性陰影が出現し、肺の線維化が残存した。適切な抗菌薬が使用されなければ陰影は急速に進行し、中には適切な治療にも関わらず陰影の悪化が病初期にみられることがあった。


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