静岡県温泉レジャー施設におけるレジオネラ症集団発生-検査面から-

静岡県環境衛生科学研究所と静岡県レジオネラ症研究会は、複合レジャー施設の温泉を利用した循環濾過式浴槽水を感染源とするレジオネラ症集団発生の患者と、浴槽水の検査について報告する。4類感染症の届出のあった集団発生の患者23名中22名のレジオネラ検査では、・喀痰や気管支肺胞洗浄液などの培養による菌の分離(陽性率:6/12)、・ペア血清等による血清抗体価の測定(陽性率:9/17)、・レジオネラ尿中抗原の検出(陽性率:16/18)を併用した。このうち、レジオネラの可溶性抗原をEIA法によって検出する尿中抗原検査キットは、感染初期から陽性反応が得られるなど感度も高く、短時間(約3時間)で判定できる優れた検査法であった。また、定量的な測定で、病勢の推移が確認できる可能性が示唆された。施設内14カ所の浴槽水のレジオネラ培養検査で、同一循環濾過装置を使用している浴槽水2カ所(露天ジャグジー:歯数57、000CFU/100mL、内湯:菌数88、000CFU/100mL)から、患者と同型薗(Legionella Pnuemophila血清群1)が検出された。浴槽水分離株と患者分離株のRAPD解析(即日判明)およびパルスフィールド・ゲル電気泳動パターン(5日目に判明)が一致したことから、同施設のレジオネラが検出された浴槽水をレジオネラ症患者の感染源と特定した。本事例の発生後、循環濾過式浴槽水を原因とするレジオネラ症が全国各地で報告されている。本症は早期に診断され、有効な抗生剤投与がなされないと、死亡例もあることから尿中抗原検査キット等の迅速診断法の普及が望まれる。また、循環濾過式浴槽水などの人工環境水中ではレジオネラの増殖が著しいことから、濾過装置を含めた殺菌等の衛生管理の徹底やエアロゾルの発生を避ける措置が必要である。


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