特別老人ホームにおける循環式浴槽水の細菌および水質に関する検討

浴槽循環式ろ過装置の設置された特別養護老人ホームの浴槽水について、その汚染状況を把握するために30施設の30浴槽からサンプリングを行い、細菌学的および理化学的な水質調査を行った。その結果レジオネラ属が新版レジオネラ症防止指針の目標値10CFU/100mL未満を超えて検出された施設は17施設(56.7%)であつた。非結核性抗酸菌については19施設(63.3%)から検出された。また消毒副生成物であるトリハロメタンを測定した結果一部上水基準値を上回る濃度の浴槽が確認された。循環装置のろ材および殺菌方法の分類別に見ると従来型の循環装置では細菌学的な汚染が確認された。従来型の循環装置に塩素を注入したものは細菌学的な有効性が確認された施設も有るが十分な効果の得られない施設も見られた。塩素注入と併せて複数の殺菌手段及び塩素化合物ろ材を用い、更にシステム全体を毎日熱水洗浄を行う循環装置を使用した施設においてはレジオネラ属、MAC(Mycobacteium avium complex)共に不検出であり、その他細菌についても低値であった。また総トリハロメタンも低値であり、同施設の衛生的な浴槽水質の維持管理における有効性が確認された。


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