レジオネラ肺炎の診断法に関する検討

レジオネラ肺炎は今日においても診断の困難な感染症の1つであり、適切な抗菌薬が投与されなかった場合の死亡率は依然として高い。最近では、培養法や血清抗体価測定に加え、PCRを用いた遺伝子診断、尿中抗原検出などの方法が利用可能となっている。当教室は厚生省レジオネラ感染症研究班の1施設として1992年から本症の診断を開始し、本菌肺炎疑いで送付された検体を対象に約8年間で150症例のレジオネラ肺炎を診断した。今回、これら症例をもとにレジオネラ肺炎の診断法について各種検査法の結果を比較検討した。レジオネラの培養はBCYE-αおよびWYO培地を用い、疑わしいコロニ-の発育を認めた場合には特異抗体を用いた凝集法により確認した。血清抗体価測定はマイクロプレート凝集法を用い、単一血清で128倍、ペア血清で4倍以上の上昇をもって64倍以上の症例を陽性とした。尿中抗原はBinaxおよびBiotestのキットを用い検討した。PCR法はレジオネラ特異的プライマ-を用い常法に従い行なった。今回の検討では、746症例を検討しこのうち150症が上記の何れかの試験で陽性を示しレジオネラ肺炎と診断された。各種検査法では、培養法で23症例(8.6%)、血清抗体価測定で54症例(8.7%)、尿中抗原検出で81症例(13.1%)、PCR法で52症例(19.3%)が陽性を示した。今回の検討ではPCR法および尿中抗原を用いた診断法で陽性率が高かったが、培養のみ陽性、あるいは血清抗体価のみ陽性という症例もみられた。発表ではそれぞれの検査法の特徴について多元的解析を試みる。


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