水景施設におけるLegionella sp.分布と衛生管理の必要性

高齢者や親子連れをはじめ人々が集う噴水や滝などの水景施設は、屋外だけでなく屋内ロビーやアトリウムにも多く設置されている。そのため閉鎖空間内でのエアロゾル発生が指摘される。適切な維持管理がなければ、レジオネラ属菌( L.sp)等の細菌汚染の発生が考えられ、レジオネラ症の集団発生が危惧される。しかし、これまでの水景施設についての報告は少なく、実態が十分把握されているとは言えない。そこでエアゾルが発生しやすい水景施設に絞り、 L.sp等の細菌分布や衛生管理状態について調査・解析し、若干の知見を得た。 L.spの検出率は18.3%、菌数分布は101〜3cfu/100mLであった。 L.pneumophilaが最も多く11施設から、 L.Anisa は1施設から検出された。 L.pneumophilaの血清群別はSG-1施設から検出され、冷却塔の場合と類似した結果を示した。またSG-3及びSG-4が2施設から、SG-5及びSG-8が1施設から検出された。水系細菌汚染の指標細菌である大腸菌群は51.2%が陽性施設であった。菌分布は10 0〜4MPN/100mLであった。殺菌・消毒法別のL.spの検出率を見ると、無殺菌群(N=32)は28.1%、塩素剤単独・複合使用群(N=37)は2.7%、塩素剤以外の殺菌(銅イオン等)群(N=13)は38.5%であった。また、大腸菌群の検出率も塩素系薬剤を使用している施設の方が低い値を示した。以上の結果から、適切な維持管理がなければ、水系施設においてもL.sp等の細菌汚染の可能性があることがあきらかになり、衛生管理の必要性を指摘している。


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