Legionella pneumophilaの染色体DNAの接合伝達IV.大腸菌Hfrによる接合伝達との違い

我々は肺炎やポンティアック熱の原因菌であるL.pneumophilaには染色体DNAの接合伝達系が存在し、接合伝達により病原変換が起ることを報告してきた。大腸菌のHfr(high frequency of recom‐bination)による染色体DNAの接合伝達では接合中にドナーのタンパク合成を必要としないことが知られている。そこでドナーのタンパク質合成を阻害した状態で接合実験を行うことで、 L.pneumophilaの接合伝達が大腸菌Hfrの接合伝達と同様の機構で行われているか調べてみた。コントロールとして行った大腸菌の接合実験ではドナーとしてH57株(HfrH、ストレプトマイシン感受性〔SmS〕、Lac+)レシピエントとしてLC607(Smr、Lac)を用いた。Smを含むEMB(eosin-methylene blue)培地上で接合実験を行い、Smr Lac+のコロニーを組み替え体と考え、コロニー数を数えた。 L.pneumophilaの接合実験ではドナーとしてK6株(カナマイシン〔Km〕体性)、レシピエントとしてChicago-2S株(Smr )を使用した。ドナーのタンパク合成を阻害するためSmを含むBCYE(buffercd charcoal yeast extract)培地上で接合実験を行った。KmrSmrになったコロニーを組み換え体と考え、コロニー数を数えた。(結果と考察)大腸菌Hfrの接合伝達はドナーのSm処理の影響を受けなかったが、 L.pneumophilaの伝達頻度はSm処理により焼く10倍低下し、ドナーあたりの接合伝達頻度は約10 -7とほとんど組み換え体はは得られなかった。この結果はL.pneumophilaの接合伝達機構はHfrによる染色体の接合伝達と異なったメカニズムで行われていることを示唆すると考えられた、としている。


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