Legionella pneumophilaの温泉での生息とVNCとの関連

温泉を介したLegionella pneumophila感染が問題となっている。本菌の温泉からの検出は、ほとんどが浴槽からであるが、なぜ浴槽にに集中してL.pneumophila検出されるかその原因はよくわかっていない。我々は、本菌は、その増殖の場であるアメーバーが生息していない自然環境(環境水や土壌など)では、コロニー形成能のスイッチがoffされた一種の休眠状態(Viable but Non-Culturable;VNC)にあり、その状態で、浴槽に混入した場合、アメーバの生息する場所(特に循環型浴槽ではろ材など)でアメーバに捕食され、状況により再びVNC状態に移行するサイクルをとっているのではないかと推定した。19箇所の温泉源水にL.pneumophila SGI suzuki株の対数増殖期106cfu/mL添加し、42℃でインキュベートし経日的にサンプリングした。BacLight(Molecular Probes社)染色による総菌数と生菌数のカウント、およびPlate法によるコロニー形成細胞のカウントを行ないVNC移行過程を測定した。BacLight染色によってVNC移行性を測定できるか否かはAcanthamoebacastellanii ATCC39234による捕食後のコロニー形成能復活により確認した。(熱処理、活性酸素除去処理など試みたが復帰しなかった)。すべての温泉水において本菌のVNC移行性が確認され、少なくともアメーバの生息していない温泉水中に本菌が混入した場合、VNC状態へ移行することが明らかになった。本菌のVNC移行条件、温泉への混入源として推定される土壌中にVNC状態で存在するか否かについても現在検討している。


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