レジオネラ肺炎における高酸素療法の影響(1) -発症病態におけるアポトーシスの関与-

レジオネラ肺炎は、急激な進行と強い低酸素血症を特徴とする疾患であり、しばしば高酸素療法による呼吸管理の適応となる。その発症病態に関して、最近、レジオネラが肺胞上皮細胞やマクロファージなどにアポトーシスを誘導することがin vitro実験系において報告された。一方、高酸素療法そのものも血管内皮・肺胞上皮細胞障害を誘導することが知られており、少なくともその一部はアポトーシスにより引き起こされているものと考えられている。本研究では高酸素療法のレジオネラ肺炎発症病態に与える影響について、アポトーシスの関与を中心に検討を加えている。肺炎モデルはB57BL/6マウス(SPK、female、6W)を用い、 L.pneumophila (血清型1)106-107CFUを経気道的に接種することにより作製。感染後、room-airまたは高酸素環境(90%酸素、2-3日間)でマウスを維持したのち生存率を観察。また、感染2、4日後肺内菌数、サイトカイン、アポトーシスマーカー(caspase-3,histoneDNA)について検討を加えている。Room-airのコントロール群に比べ、高酸素環境で維持されたマウスにおいて有意に高い死亡率が観察された。感染2日目の肺内菌数では両群に差はみられなかったが、肺胞洗浄液中のアルブミンにおいて高酸素処理群が有意に高い値を示した。また、caspase-3およびhistoneDNAは感染のみにおいても誘導されたが、感染+高酸素で有意な上昇が観察された。これらの結果から、レジオネラ肺炎において高酸素療法は急性肺障害を憎悪させる可能性を示おり、その理由として、高酸素による気道系細胞アポトーシスの促進が関与していることを推察している。会員外共同研究者:T.J.Standiford(University of Michigan)


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