レジオネラ肺炎における高酸素療法の影響(2) -感染菌量、酸素濃度・投与期間との関連について-

レジオネラ肺炎における高酸素療法の影響について、感染菌量、酸素濃度・投与期間との関連を中心に検討している。レジオネラ肺炎モデルはA/Jマウス及びC57BL/6マウス(SPF、female、6W)を用い、L.pneumophila(血清型1)を経気道的に接種することにより作成した。(1)非感染・酸素投与のみ、(2)感染・room-air,(3)感染+酸素投与群の3群にわけ、感染後、room-airまたは高酸素環境(50%、70%、90%)でマウスを2日間、4日間維持した後、生存率を観察した。また、感染2、4日後の肺内菌数、肺重量、サイトカイン、アポトーシスマーカー(histone DNAなど)について検討を加えている。A/JとC57BL/6マウスの両系統ともroom-airのコントロール群に比べ、高酸素環境群で高い死亡率が観察された。C57BL/6マウスにおいては、感染菌量5×106〜1.6×107CFU/mouseにおいて有意な死亡率の増加が認められた。死亡率の増加は、酸素濃度と相関する傾向がみられたが、肺内菌数においてはいずれの条件でも差は見られなかった。肺重量は、感染のみの群に比べ感染+酸素投与群で重く、それは酸素濃度に相関していた。アポトーシスマーカーは、感染のみの群に比べ感染+酸素投与群で高く、感染2日目と4日目では前者において高値を示していた。以上の結果より、高酸素療法が酸素濃度に相関してレジオネラ肺炎モデルにおける死亡率を高めることが明らかとなったとしている。本検討で用いた実験条件は、ヒトの肺炎においても充分考えられるものであり、レジオネラ肺炎と高酸素療法の関連について臨床例を含め、さらに検討する必要があるとしている。


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