泉川病院における循環式浴槽からのLegionella pneumophila の分離状況とその対策

泉川病院の循環式浴槽について、Legionella pneumophila の分離状況と浴槽の塩素濃度について検討している。塩素濃度0.05ppmの浴槽からはLegionella pneumophila が分離培養され、0.1ppm以上の浴槽からは分離されなかった。また菌が分離された浴槽において、塩素濃度を0.1pp以上にしたところ菌が分離されなくなった。このことから循環式浴槽において、塩素濃度の管理を十分することにより、菌の増殖を抑制し、レジオネラ肺炎の発症を未然に防ぐことができるとしている。2001年作成の「レジオネラ防止指針」では循環式浴槽は遊離残留塩素濃度0.2ppm〜0.4ppmを1日2時間以上保つこととし、塩素消毒ができない場合、オゾンまたは紫外線殺菌を行うこととしている。しかし泉川病院の場合、オゾン消毒にもかかわらず、L.pneumophila は検出されており、少なくとも0.1ppm以上の塩素注入が望ましいとの成績が得られた。2000年12月に厚生省通達された「公衆浴場における衛生等管理要領等について」で浴槽の管理に「浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤の注入(投入)口は、浴槽水が循環ろ過装置内に入る直前に設置することが望ましい」という個目が追加されている。循環ろ過装置は、多くの場合生物浄化機構を採用しており、従来ろ過装置の後に塩素系薬剤を注入してレジオネラなどの病原菌を殺菌し生物浄化装置の機能を保持していたが、ろ過装置内に入る直前に薬剤を注入すると、装置内の微生物は全て殺菌され、生物浄化の機能は失われ、浴用水の汚濁物質の分離は行われず循環することとなる。今回の泉川病院の検討では、生物浄化機構を温存したまま、ろ過装置の後、もしくは浴槽内に塩素投入を行ったがこの方法でも十分消毒効果を保てることがわかった。24時間風呂におけるL.pneumophila 対策は行政上大きな問題となっているが、病院の各浴場施設においても、塩素濃度の十分な管理を行って、レジオネラ肺炎の発症を未然に防ぐことに努めなければならないと述べている。


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