レジオネラ属菌によるバイオフィルム形成

バクテリアが作るバイオフィルムは、環境中のいたるところに存在し、感染源になることが知られているが、レジオネラ属菌細菌の一種で、レジオネラ肺炎やポンティアック熱の原因となるLegionella pneumophilaが自らバイオフィルムを形成する能力やその機序については未だに全く知られていない。我々はその原点から検討することにした。

方法
統計38種50株のレジオネラ属菌をBYE(Buffered Yeast Extract)培地で静止培養し、25度、37度、42度の温度下でガラス壁にバイオフィルムを形成するか観察した。

結果
レジオネラ属菌の中で人から分離されることの最も多いL.pneumophilaは、他種のレジオネラ属菌よりバイオフィルム形成能力が高いという知見が得られた。また、L.pneumophilaは温度の影響で形成能力-則ち、バイオフィルムの厚み、形成速度、付着安定性-が異なるということも明らかになった。

考察
温度に左右されるバイオフィルム形成能力および形態の調節は、浴槽や温泉など高温な環境で生存し続けるL.pneumophilaが有する生存機構と関りがあると考えられる。今後は、この機構についての理解を深めることを目的に、遺伝学的考察を進めていく予定である。


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