浴槽からのレジオネラ飛散

汚染されている浴槽水のレジオネラが飛散する状況を把握する目的で浴槽およびその周辺のレジオネラ菌数を調べた。

■風呂
・市販のオゾン発生装置付循環装置を取付けた24時間循環風呂・大型循環ろ過装置が屋外に設置された一般家庭用温泉

■レジオネラの検出と同定
・レジオネラの菌数は孔径0.22μmメンプランフィルターを使用したろ過法を用いて測定
・空気中の菌数はスリットサンプラー法、インピンジャー法、5分間落下法によって測定

■細菌用培地菌数算定は、GVPCα寒天培地を用いて36℃で7日間培養

■殺菌装置・A:電解式次亜塩素酸が発生し、水量は毎時約60L・B:オゾンと活性酸素を発生し、水量は毎時約300L

■結果
・24時間循環風呂:浴槽水から3.2×103CFU/100mLのレジオネラが検出された。浴槽周辺空気からは、循環機停止時および稼動時のいずれもレジオネラは検出されなかった。(スリットサンプラー法)
・家庭用温泉:浴槽水のレジオネラ菌数は気泡発生前が570CFU/100mLで、気泡発生時は160CFU/100mLと減少する傾向が観察された。気中のレジオネラは気泡発生時のみ、落下法で53CFU/100mL、スリットサンプラー法で2CFU/100mL検出された。

■細菌の捕集法の検討レジオネラ菌数245CFU/100mLの温泉水に装置Aを取付け10時間稼働後の温泉水の菌数を測定した所、185CFU/100mLとわずかに減少した。また、装置Aを通って出てくる水からはレジオネラは検出された無かった。同じく、装置Bを設置してレジオネラの数を測定した所、菌数は618CFU/100mLとかなり増加した。しかし、殺菌装置を通過した湯のレジオネラは、15CFU/100mLだった。

■考察
・浴槽から発生するレジオネラは、比較的大きな水滴に付着し、さらに大きな水滴と一緒に落ちやすいので、空気を捕集する方法では検出しにくく、落下法では多くの集落が形成されることがわかった。
・殺菌装置は殺菌効果はあるものの、循環ろ過装置から噴出されるレジオネラ菌数のほうが多いことを示している。このことは浴槽内部をいくら殺菌しても、発生源対策にはならないので、効果的な殺菌ができないことを示している。したがって、循環ろ過装置内への殺菌装置を組み込むことが必要である。今回の実験により、入浴する時は、気泡が発生するような装置は稼動させない、さらに湯面に近い空気を吸込まない工夫をする必要が示唆された。


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