温浴設備の管理

■管理などに関る法規浴場
浴槽の管理に関る指針は法律・政令・省令と違い、原則として国民に対する直接的な拘束力がない。都道府県知事、政令市町、特別区長や都道府県などの衛生主管部(局)長に宛てたもので、都道府県などで条例化することで住民に遵守義務が生じる。条例改正が追い付かず、長期間条例を改正していない県などもあり、現実に対応できない面もあるようだ。条例化の有無に関らず、厚生労働省の通知が国内スタンダードになっているのが現状である。

■循環系の管理
○ろ過装置管理管理の容易な砂式が主流となっているが、ろ過砂のなかには、微生物が増殖しやすく、レジオネラ属菌の温床となるバイオフィルムを形成するものもある。ろ材の入替えは3〜5年程度の周期で行い、逆洗は2〜3回/週の頻度で行うべきである。
○塩素濃度管理塩素濃度を一定以上に維持すれば、バイオフィルムの生成も少ないことが確認されている。レジオネラ属菌の直接的な殺菌以外にも塩素濃度管理は重要である。濃度を測定し、自動的に塩素濃度を安定させる制御設備が必要である。
○生物膜(バイオフィルム)除去バイオフィルムを除去する方法として効果が高いのは、過酸化水素による洗浄であるが、その際、循環系にトラブルが出たり、剥離したバイオフィルムがろ過装置に入らないように内視鏡で配管内部をみたり、ろ過装置内の状況を確認する必要がある。
○オーバーフロー回収槽の管理オーバーフロー回収槽は細菌などが繁殖しやすいことから、清掃は徹底しなければならない。バイオフィルムの生成を考慮するなら、最低2週間ごとに内部を清掃する必要がある。

■浴槽の管理
○上縁・吐水口の形状と管理洗い場の水が浴槽に入り込まないようにすることも重要である。階段をつけるか、洗い場側にグレーチングを設けるなどの解決策を講じる必要がある。また、循環による浴槽水の入替えに偏りができないような位置に吐水口と吸い込み口を設ける。ただし、循環水が水面上で吐水している場合は、誤飲防止の措置を講じなければならない。
○藻類・気泡浴槽などの管理藻類が光合成により出す有機炭素化合物をレジオネラ属菌が利用し、レジオネラ属菌が出す二酸化炭素を藻類が利用するというように、藻類とレジオネラ属菌は共生関係にある。抑制方法として、藻類の抑制・除去効果とともにバイオフィルムの抑制、即効性の殺菌効果やトリハロメタン生成が少ない電解次亜塩素酸を採用する施設が増えている。また、気泡風呂やミストサウナ、蒸気浴、シャワーなどのエアロゾルを発生させる設備の管理も徹底しなくてはならない。


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