浴槽水の管理

浴槽水のレジオネラ属菌対策の基本は、系内にレジオネラ属菌を含むバイオフィルムを生成させないことにある。浴槽水系の管理のポイントを以下に示す。

■浴槽水系の管理のポイント
○生物浄化式ろ過装置は使用しない生物浄化式ろ過装置のろ材中には、レジオネラ属菌、アメーバ類が多数定着しており、浴槽水に供給される。塩素剤による殺菌との両立が困難なことから使用しないこととする。
○ろ過装置の管理を徹底する週に1度は高濃度塩素などによるろ材、ろ過装置内部の殺菌消毒を行う。または、ろ過装置を使用しないシステムを採用する。
○オーバーフロー回収槽は使用しないことが望ましい汚れの多い浴槽水が流入することで滞留による残留塩素の消失が起こりやすいためバイオフィルムを生成しやすくレジオネラ属菌の供給源となる。やむを得ず使用する場合は遊離残留塩素を常時0.4mg/L以上維持し、さらに清掃を徹底する。
○貯湯槽の湯温管理と清掃を行う水温が低いとレジオネラ属菌が検出されることがあるため、60℃以上を維持するか、塩素剤などによる殺菌、清掃を行う。
○配管内のバイオフィルム除去や浴槽・ヘアキャッチャの清掃、浴槽水の入替えを行う

■泉質別塩素剤による塩素管理遊離残留塩素は浴槽水に対して、常時維持する必要がある。常時、一定濃度範囲の遊離残留塩素を維持するためには、きめ細かな濃度測定と注入量の調整が必要である。望ましくは、1時間ごとに測定して塩素剤注入機の調整を行う。
○pHが低い泉質の場合pHが低い場合(目安として5以下)は、塩素剤の添加により塩素ガスを発生するおそれがあるので注意が必要。なお、pHが2以下の泉質の場合は、レジオネラ属菌が殺菌されるため、塩素処理は不要である。
○pHが高い泉質の場合高pHの浴槽水を塩素剤により処理する場合は、維持濃度を高く管理するとともに、浴槽循環系内にレジオネラ属菌の供給源が存在しないように洗浄・清掃を行うことが重要である。

■塩素剤の種類と使い方
○次亜塩素酸ナトリウム次亜塩素酸ナトリウムは5〜12%濃度の液体が市販されており、定量薬液ポンプで注入できる。浴槽水の遊離残留塩素濃度を常時一定濃度で維持するためには、この注入方式が適する。
○錠剤(タブレット)錠剤型は、次亜塩素酸カルシウムやトリクロロイソシアヌル酸であり、ろ過装置の入口配管にバイパスを設置して、入れる個数などを調節しながら除々に溶解させて使用する。
○粉末や顆粒粉末や顆粒状の塩素剤はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムであり、浴槽に捲いて使用することが多い。溶解が早く、短時間で残留塩素濃度を高めるのに適するが、長時間にわたり安定した遊離残留塩素濃度を維持する管理には向かない。

■紫外線による処理浴槽水中のレジオネラ属菌数を減じる方法として紫外線照射が有効である。ただし、紫外線には残流効果がないため、紫外線殺菌装置以降の配管などの殺菌処理が必須である。また、紫外線による殺菌処理は、着色や濁度が強い温泉水の場合は透過率が小さいので、効果が期待できない。


レジオネラ文献, 総論カテゴリーの記事