村内のすべての温泉施設「源泉かけ流し宣言」–十津川村/奈良

2004/09/04の毎日新聞 地方版によると、奈良県十津川村はこのほど、「源泉かけ流し宣言」を行ったという。すべての温泉施設で、源泉からわき出た湯をそのまま使う仕組み。札幌国際大学の松田忠徳教授(温泉文化論)によると、自治体のかけ流し宣言は全国でも例がないという。 同村にはホテルなど20の宿泊施設と5つの公衆浴場がある。泉質が異なる湯泉地(とうせんじ)、十津川、上湯の3温泉地だという。昨年まで、一部が湯をろ過して繰り返し使う「循環式」だったが、循環式にはレジオネラ属菌感染などの問題も指摘されていることから、改修を行い、今年1月からすべてをかけ流しにしたという。バブル期の乱開発などもなかったため湯の量も豊富で、再利用をせず湯を使い捨てする「ぜいたくな」かけ流しが可能という。 今後3年をかけ、露天風呂をはじめ、施設周辺の整備を行うほか、飲泉もできるようにしたいという。松田教授は「はじめ十津川の温泉を訪れた時は、かけ流しでなかったことにがっかりした。しかしかけ流しになり、良質な泉質と豊かな自然を、文化・歴史を合わせ全国でもトップクラスの温泉」と太鼓判を押す。同村観光課などによると宣言後、全国から役場に問い合わせが相次いでおり、世界遺産登録も合わせ宣言の効果は高いという。

記事掲載誌 毎日新聞地方版 掲載日 2004年9月4日 記事番号 578