[それってなぜ?]千葉の「不思議」に迫ります減る「打たせ湯」/千葉

2004/08/04の毎日新聞 地方版より。 落下する水を当てて肩こりを和らげる「打たせ湯」をやめる銭湯が増えているという。レジオネラ属菌感染の可能性を減らそうと県が条例を厳しくしたためだが、その一方で、県の指導対象にならず、打たせ湯を続けている施設もある。一体どういう事情があるのだろう。 千葉県では昨年9月、公衆浴場法施行条例を改正し、「打たせ湯には清潔な水を使用すること」という一文を追加した。体に当たってはねた湯が口に入り、死に至る場合もある「レジオネラ肺炎」に感染するのを防ぐためだ。県衛生指導課によると、「浴槽の水を、ろ過装置などに通して循環させても『清潔な水』とは言えないという。 これを受けて、極楽湯鎌ケ谷店(鎌ケ谷市)は今年4月、2000年7月の開業以来続けていた打たせ湯を取りやめたという。 極楽湯の打たせ湯は当初から、多くのスーパー銭湯と同様に浴槽水を循環させて使っていた。直接水道水を使うと、膨大な水道料金がかかるからだ。 県内では他にも、同じ理由から多くの民間業者が打たせ湯をやめたという。 一方で、鎌ケ谷市など2市1町で運営する複合施設、さわやかプラザ軽井沢(同市軽井沢)では、今も浴室の打たせ湯から勢いよく水が出ている。「井戸水を使っており、循環させないから条例には触れない」と相馬茂幸館長は説明する。 館内(プールや食堂なども含む)で使用する1日平均200トンの水のうち、打たせ湯に約70トンを充てている。井戸水のため水道料金はかからないが、使用量に見合った下水道料金はかかる。 しかし、施設運営費は1人500円(在住者料金)の入湯料では賄えず、年間1億3000万円(02年度)を2市1町が負担しているという。相馬館長は「住民の健康増進のためだから理解は得られているはずだ」と言う。 45秒で70リットルもの水を、文字通り湯水のごとく流し続ける打たせ湯。天然温泉が豊富でない千葉県内では、もはや公共施設でしか許されない「ぜいたく」なものになったようだ。

記事掲載誌 毎日新聞地方版 掲載日 2004年8月4日 記事番号 557