◎銭湯打たせ湯消えるレジオネラ属菌対策県の改正条例が完全施行循環水使用不可に

2004/05/17の愛媛新聞によると、公衆浴場のレジオネラ属菌が問題となるなか、愛媛県では国の指針を受け2003年10月、「公衆浴場設置等の基準等に関する条例」を改正された。半年間の一部猶予を経て、4月1日から完全施行となった。条例改正は、銭湯経営にも影を落としており、「廃業が進む契機になる」といった不安の声が上がっているという。 条例施行で廃止が際だつのは高所から湯を落として肩や腰などに当てる打たせ湯だという。マッサージに似た効果が得られることからファンが多いが、頭から湯をかぶるため鼻や口からの感染リスクが高いとして循環水ではなく新しい湯の使用が定められた。スーパー銭湯など県内の大型施設53ヶ所に聞き取り調査をしたところ、条例に沿っての設備維持には大量の湯が必要なことから、設置していた41施設のうち33施設が廃止するという。継続するところでも、設置本数や湯量を減らしたり時間制にするなど規模縮小を余儀なくされた。 県内の銭湯は現在、83施設。県公衆浴場業生活衛生同業組合によると約半数が打たせ湯を設置していたが、ほとんどが廃止した。井村勝利理事長(61)は「銭湯は家内企業。経営者も高齢化し設備投資もままならない」と厳しさを語る。 また昨年の調査によると、一施設あたりの一日平均利用者数は64人。「これでは日当もでない。条例改正で水質検査や薬剤、配管洗浄などのコストが膨らみ、廃業がさらに進む契機になる」(同理事長)と強い危機感を示す。 設備投資やランニングコストの増加を浴場事業者に迫る形になった今回の条例改正。業者側には、「安全性を考えると仕方がない」「意識向上には効果がある」とする一方、「基準が厳しく負担が大きい」「保健所によって指導度合いに温度差がある」「においや泉質が変わる」といった不満も少なくない。安全性への配慮は欠かせないが、今後、業界がどのような対応をみせるのか注目が集まる。

記事掲載誌 愛媛新聞 掲載日 2004年5月17日 記事番号 529