かけ流し温泉泉質・安全性で人気観光客増への起爆剤=栃木

2004/05/16の東京読売新聞 朝刊によると、水を足したり、湯を循環させたりしない「かけ流し」の温泉が、温泉ファンの人気を集めているという。栃木県内でも、「かけ流し」を看板に掲げる温泉が増え始め、景気低迷による観光客減を打破する起爆剤として期待されている。 旅行専門誌「じゃらん」編集部で栃木県を担当する中口景介さんは、「旅慣れた中高年を中心に、100%純粋なお湯を求める傾向が強まっている」と話す。 なぜ、「かけ流し」なのか。無視できないのは、レジオネラ属菌問題の影響だ。 2000年、静岡県掛川市の温泉施設で入浴客が感染、肺炎を起こして死亡する事件が起き、その後も国内で同様の死亡事故が相次いだ。いずれも、一度使った湯をろ過・殺菌して再利用する「循環式」の入浴施設だった。 レジオネラ属菌事件が相次いだのを機に、利用者の不安が高まり、同協会が毎年実施する利用者アンケートでは、「浴槽に入っている温泉がどういった利用状況にあるのかを開示するべきだ」といった意見が相次いだという。 これを受け、同協会は昨年4月から、「天然温泉表示看板」の制度を新設し、温泉法で義務づけられる、湯の成分などを記した「温泉分析書」に加えて、湯を循環させているか、水を加えているかを看板に明確に掲示するようにした。3月末現在、全国で531枚が設置されたという。 利用者の本格志向を温泉宿の活性化につなげようと、那須、塩原、日光湯元、中禅寺など、県北の温泉旅館経営者有志が4月、「とちぎ にごり湯の会」を発足させた。入会の前提は、「かけ流し」の浴槽を持つことだという。 循環式の湯は、ろ過する際に、にごりが消える。つまり、「にごり湯」であることは、「かけ流し」であることを示す材料の一つなのだ。 日光湯元温泉など日光市内の温泉旅館は、「にごり湯の会」が行うPR作戦に強い期待をかけているという。

記事掲載誌 東京読売新聞朝刊 掲載日 2004年5月16日 記事番号 528